下肢に痛みやシビレが生じている場合の代表的なテストを紹介します。
大腿神経伸長テスト ( FNS = Femoral nerve stretch test )
目的
L2-4の神経根を伸張し、L2-4の神経根が圧迫によって刺激されているかどうかを検査する。
患者のポジション
腹臥位。
方法
1.FNS
腹臥位から、患者の首を検査側に回旋させ、検査側の膝をゆっくりと屈曲させる。術者は、症状のあるサイドの膝をやや屈曲させ、次に股関節を伸展させる。痛みが再現されない場合は、膝をゆっくりとさらに深く屈曲させていく。
2.変形FNS 1
1の状態から、さらに検査側の大腿を持ち上げて股関節を伸展させ、さらに内転を加える。
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検査結果の評価
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鼠径部や股関節の痛みに加えて、大腿前部に痛みが走れば、L3の神経根の病理(L2-3椎間板)を疑う。大腿前部から下腿前部に痛みが広がる場合はL4(L3-4)の神経根病理を疑うとされている。
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大腿外側に痛みが再現されれば、外側大腿皮神経の刺激、圧迫を疑う。
下肢挙上テスト ( SLR = Straight leg raise )
目的
坐骨神経 (L5-S2)とその硬膜を抹消側に伸長し、L4-5、L5-S1の神経根の刺激を検査する。
患者のポジション
背臥位
方法
膝を伸展位にしたまま、術者はゆっくりと患者の足を挙上させる。患者が痛みを訴えたところで屈曲を止め、検査台との角度を測定する。
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検査結果の評価 0~70度の間で下肢後面に電撃痛が走れば真の陽性である。加えて、腰部の局所的な痛みも含め、坐骨神経に沿って痛みが現れれば陽性と見なす。
陽性では、主にL5-S2の神経根の刺激を疑う。70度までに痛みが再現されない場合にはテストは無効とされる。
SLRが陽性でも、必ずしも椎間板ヘルニアとは限らないことに注意。
神経根刺激のレベルを確認するために、筋反射、知覚神経、筋力検査等の神経学検査で構造的な病理を確証することが必要。
変形SLR (Modified SLR)
目的
痛みや神経学的症状が神経根の刺激によるものか、遠位での末消神経の刺激によるものかを区別する。
患者のポジション
背臥位
方法
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1.変形SLR 1(シカール徴候) 症状が再現された角度から、持ち上げた足を約5度降ろす。術者は、検査側の足の親指を伸展させる。
2.変形SLR 2(ブラガード徴候) シカール徴候と同じ位置で検査を行う。検査側の足首を背屈させる。
3.変形SLR 3(ボンネー徴候) シカール徴候と同じ位置で検査を行う。
下肢を内旋、内転させる。患者の反応に注意しながら、操作はゆっくりと行うこと。
4.変形SLR 4 SLRの位置から、股関節を外旋させる。
患者の反応に注意しながら、操作はゆっくりと行うこと。
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