2012年4月24日火曜日

マタニティ・ブルーと産後うつ病 - 病気病院医者


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※この記事は下記書籍からの転載です

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社会的要因より、女性ホルモンの影響

うつ病は男性よりも女性のほうが多い病気です。これについては、女性に対する心理社会的なストレスが男性よりも強い、女性に対する社会的な支援が少ない、女性は孤独になりやすい、などの仮説がありますが、私は女性のストレス説は蓋然性が低いと考えています。
なぜなら、中年の自殺は、世界のなかでも日本の男性に多いからです。もし、女性のストレス説が正しいのならば、男性でなく女性のほうが多いはずです。心理社会的な因子だけで、女性にうつ病が多いという説明はできないのです。
では、なぜ女性の患者さんが多いのか。これは、複合的な要因だとしか説明できません。もちろん社会的要因もあるのでしょうが、やはり女性の場合は、女性ホルモンの影響が大きいと考えられます。


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その最たるものとして、「月経前不快気分障害」があります。
これは、月経数日前から抑うつ気分や不安が出現するもので、症状が一年以上継続するときに、「月経前不快気分障害」と呼ばれます。それほど重くなくても、月経前に不安になったり、イライラしたりする女性は、全体の二割から五割も存在するといわれています。女性ホルモンの影響は大きいのです。

また、女性には、産後のうつ病と呼ばれる状態があり、「マタニティ・ブルー」とか「産後うつ病(産褥期うつ病)」と呼ばれています。

マタニティ・ブルーは、出産後三〜五日をピークとして、全体の半数近くが、気分の不安定さ、涙もろさ、集中困難、不安、イライラなどの軽いうつ状態と呈するものを指します。この症状は、産後10日頃には自然に消失することがほとんどで、一過性のものであるとされています。ただし、マタニティ・ブルーから産後うつ病へ移行することもあり、両者の明確な区別はできないのが現状です。

産後うつ病は、出産後二週間から数カ月の間に発症しやすく、早期に症状が出現するほど、不安定になることが多いとされています。発現する症状は、うつ病とそれほど変わりありません。  しかし、産後うつ病の場合、「産後の肥立ちが悪い」というように周囲が安易に考えてしまう傾向があり、未治療のまま放置されることが多いのが問題です。  そして、未治療のまま放置された産後うつ病は、通常のうつ病に比べて予後が悪く、長期化を招来し、その結果、母子関係に悪影響を及ぼし、子どもの発育にダメージを与えることもあるのです。


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また、産後うつ病は、次の出産でも再発する可能性が高いともいわれています。 症状としては、うつ病と同様、抑うつ気分、不安、意欲低下、不眠、食欲不振、疲労感などですが、一過性ではあっても、錯乱状態、興奮を呈することがあります。この場合は重篤で、多くは入院治療を要します。 産後うつ病については、「産後の肥立ちの悪いせいだ」などと安易に考えるべきではなく、一般的なうつ病よりも、むしろ早期な治療が求められます。

ここで産後うつ病の一つのケースを紹介します。

産後うつ病 30歳代女性、Gさんのケース

Gさんは30歳で、私のクリニックへ通院してから約三年が経過しています。
元来、細かいことが気になる性格で、人に気を遣いすぎると言われていました。大学卒業後、商社に就職し、事務職として働いていましたが、26歳のときに職場の同僚と結婚して退職し、以後、専業主婦をしています。

27歳で第一子長女を出産しました。夫もGさんも女の子を望んでいたので、出産時は二人ともとても喜んでいました。実家で出産後に静養し、産後一カ月で自宅に戻り、三人での生活が始まりました。

ところが、実家ではよく出ていた母乳があまり出なくなり、ミルクに切り換えたのですが、Gさんはそのことをとても気にして、「自分はなにか欠陥があるのではないか」と夫に訴えるようになりました。「子どもの夜泣きは、自分の母乳が出ないせいだ」と自分を責めるようにもなったのです。


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夫は最初、協力的だったのですが、仕事が忙しいために、別室で寝るようになりました。Gさんは深夜までずっと起きてミルクを作り、昼間も子どものことが気になって、イライラしたり、落ち込んだり、「どうでもいいや」と投げやりになったりと落ち着かずに過ごしていました。

三カ月検診があり、子どもの成長が少し遅いことを指摘され、Gさんは非常に落ち込みました。「自分がなにもできないから子どもがこのようになってしまった」と、自分を責め続けました。夫に相談しても、「仕事が忙しい」といって、真剣に話を聞いてくれない。親に相談すると、「そのうち普通になるから。今は疲れているから少しゆっくりしなさい」と諭されます。
夫は、当時を振り返り、「心配はしていたけれども、育児で疲れているだけだから、少し休めば治ると考えていた」と語っています。

Gさんはますます落ち着かず、一日中ソワソワと家中を歩き回り、「子どもが大きくならない」とうわ言のように繰り返すようになりました。ついには、夜中に夫を何度も起こして、「子どもは大丈夫かしら」と髪を振り乱して大声で喚くようになりました。夫もただ事ではないと考え、私のクリニックを夫婦で受診したのです。
そのときすでに、Gさんが調子を崩してから三カ月も経っていました。この間、Gさんはほとんど眠らず、夫や両親以外とは、誰とも話すことはなかったのです。


初診時、私は、実家に子どもをしばらく預けて、静養することをGさんに勧めました。しかし、Gさんは「みんなに迷惑をかけるだけだから生きていても仕方がない、子どもと一緒に私も死にます」と言って、診察室から飛び出していったのです。後を追いかけ、踏切にいたGさんを夫とともに捕まえました。私は、やむなくGさんを精神病院に入院させざるを得ませんでした。

一ヶ月間の入院を経て、Gさんは再び私のクリニックへ通院することになりました。精神状態はかなり落ち着き、少しは家事と育児はできるものの、「疲労感が体にへばり付いた感じがして、思うように動かない。なにもする気がしない。自分はダメな人間だ。子どもを不幸にしてしまった」などと言い、あいかわらず「うつ」は遷延しています。現在、夫とは別居し、実家で母親に子育てのほとんどを手伝ってもらっています。

Gさんは「産後うつ病」の典型的なケースです。適正な時期に治療が受けられなかったために、重篤化し、錯乱状態となって入院を余儀なくされました。退院後もうつ気分が長期化し、子育てが満足にできないという自責感のために、精神症状を悪化させてしまっているのです。



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